【完全版】QRコードとは?種類や活用事例まで徹底解説

コロナ禍で普及が加速した「QRコード」。さまざまなシーンで使われるようになりましたが、この形にどのような意味があるのか、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。

本記事では、「QRコード」をテーマに名前の由来や、仕組みや種類、活用事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

QRコードとは

QRコードとは

QRコードは、株式会社デンソーウェーブが1994年に開発した2次元コードです。「20文字程度の英数字しか扱えない」「漢字やカナが表現できない」といった、バーコードの問題点を解決するために開発されました。

数字、英字、漢字、カタカナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コードなどのデータを扱え、1つのQRコードで最大文字数が7,089文字(数字のみの場合)という大量のデータを格納できます。

QRコードの利用には事前申請や使用料が不要で、仕様も一般公開されています。近年ではQRコード決済などさまざまなシーンでも利用されています。

QRコードの名前の由来

QRコードの名前の由来

「QRコード」は、Quick Responseの頭文字からとったもので、素早く読み取る・反応するという意味があります。

知的財産権について

デンソーウェーブ社のWEBサイト

QRコードを開発した株式会社デンソーウェーブは、QRコードの特許は取得していますが、 JIS規格やISO規格に制定されているQRコードを使用するにあたり、使用者に対してライセンス料などは徴収しておらず、申請不要・誰でも自由に使うことができます。

詳細は以下の記事(FAQ)を参考にしてください。
https://www.qrcode.com/faq.html

「QRコード」はデンソーウェーブ社の登録商標

しかし「QRコード」という名称の商標権については権利を開放していないため、「QRコード」の名称を使用する場合は、原則として「QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です」といった登録商標文の記載が必要です。該当媒体のいずれかのスペースに記載するようにしましょう。

登録商標文は、商用利用しない場合でも必要です。
デザインなどの都合で、記載が出来ない場合には「QRコード」という呼称を使わないようにする、登録商標ではない「二次元コード」「二次元バーコード」といった一般名称を使うなどの工夫が必要です。

QRコードの特徴

特徴① 記録できる情報の量が多い

特徴① 記録できる情報の量が多い

QRコードは、数字、英字、漢字、カタカナ、ひらがな、記号、バイナリ、制御コードなどのデータを扱うことが可能です。1つのコードで、最大7,089文字(数字のみの場合)という大容量を表現できます。

バーコードよりQRコードの方が格納できる情報量が多く、英数字だけでなく、URLアドレスやメールアドレス等の情報を埋め込むのに適しています。

特徴② スペースが小さくても表示できる

特徴② 小さなスペースに表示が可能

QRコードは、縦・横両方でデータを表現しているので、バーコードと同じ情報量であれば、10分の1程度の大きさで表示できます。従来のバーコードでは、小さすぎて印刷できなかったラベルやパッケージでもQRコードなら印刷ができます。

特徴③ どの角度からも高速で読み取れる

特徴③ どの角度からも高速で読み取れる

QRコードは、360°どの方向からでも、高速な読み取りが可能です。
QRコードの中の3ヶ所の切り出しシンボルにあり、背景模様の影響を受けない安定した高速読み取りができます。どの角度からでも高速で読み取れるため、読み取り端末側で向きを変える必要はなく作業の効率化にも繋がります。

特徴④ 汚れ・破損にも対応

特徴④ 汚れ・破損に強い

QRコードは、破損していても、コード自身でデータを復元する「誤り訂正機能」をもっています。工業用の油で汚れやすい工場・製造現場などで使用されることを想定してつくられました。

特徴⑤ 情報の分割が可能

特徴⑤ 情報の分割が可能

1つのQRコードに対して最大で16個のQRコードに分割することが可能です。また反対に、複数に分割された情報を一つのデータとして連結することもでき、細長い印字エリアにレイアウトする際に便利です。

QRコードの仕様と仕組み

QRコードは、「縦と横」に並んだドットで構成されています。QRコードは、バーコードよりも多くの情報をコード化でき、文字だけでなく画像や音声データも埋め込めます。

QRコードの仕様には、ある一定のルールがあります。ここでは、QRコードの仕様と、QRコードを構成する各要素の役割を紹介します。

QRコードの仕様と仕組み
  • 切り出しシンボル(ファインダパターン)
    シンボルの位置を検出するためのパターンのことで、QRコードの角にある三つの大きな正方形のことを指します。切り出したシンボルをどこから通過させても、黒セルと白セルの比率は「1:1:3:1:1」です。この特徴によって、QRコードをどの角度からスキャンしても、正しく情報を読み取ることができます。
  • タイミングパターン
    切り出しシンボルの間にある黒と白の交互に並んだセルのことです。シンボル内のモジュール座標を決定するのに使用しています。
  • アライメントパターン
    歪みによって生じるセルの位置ずれを補正するパターンです。アライメントパターンの中心を基準にして、シンボルの歪みを補正するので、中心座標を検出しやすい構造になっています。
  • フォーマット情報
    QRコードのシンボルの、誤り訂正レベルやマスクパターンに関する情報が収納されている部分です。マスクパターンとは、白いや黒いセルが偏ったり、ファインダパターンなどに近い配列になると読み取りに支障がでるため、そのバランスを調整するものです。
  • セル
    QRコードを構成する白と黒のマスのことを指します。データセルとも呼ばれ、QRコードのデータを表します。
  • クワイエットゾーン
    QRコードの周囲の空白スペースのことを指します。クワイエットゾーンは、コードを正しく読み取るために必要な余白です。QRコードでは4セル分の空白が必要です。

QRコードの種類

QRコード モデル1 モデル2

QRコード モデル1とは、最初に作られたQRコードで、最大バージョンは14(73×73セル)で数字1,167桁まで扱えます。
モデル2は、モデル1を改良し、 セル数をバージョン15(77×77セル)~40(177×177セル)まで拡張しました。 最大7,089桁の数字を扱うことができます。

QRコード モデル2

マイクロQRコード

切り出しシンボルを1つにして小さな印字スペースを可能にしたQRコードです。M4(17×17セル)で数字35桁まで扱うことができます。QRコードは最低4セル分のマージン(余白)がコードの周りに必要なのに対して、マイクロQRコードはマージンも2セル分で十分機能します。

マイクロQRコード

rMQRコード

長方形のQRコードです。狭いスペースに表示しやすい特徴があります。
大小の切り出しシンボルを1か所ずつ配置し、読み取り易さと情報量を両立しています。R7×43(7セル×43セル)で数字12桁、最大のR17×139(7セル×139セル)で数字361桁まで扱うことができます。

rMQRコード

フレームQR

イラストや画像、文字・ロゴなどをコードに重ね合わせて印刷できるデザイン性に優れたQRコードです。販売促進ツールや真贋判定コードとしてなど、様々な用途に利用できます。読み取り精度は普通のQRコードと変わりありません。

フレームQR

SQRC

データの読み取り制限機能を持ったコードです。 セキュリティー管理に活用できます。見た目は通常のQRコードと変わりありません。

SQRC

QRコードとバーコードとの違い

QRコードとバーコードとの違い

QRコードに似たものとして、「バーコード」があります。数字やアルファベットをコード化したもので太さの異なる縦線を横方向に並べているため「一次元コード」と呼ばれます。普通のバーコードは縦棒(1方向)のみのため情報量が少なく、上記画像の場合には13文字程度しか保存できません。一方、QRコードは「縦と横」(2方向)のドットで構成されているので、その中に約200倍のデータを入れることができます。

QRコードとの違いは、大きく2つあります。

特長① QRコードは、情報量が多い

QRコードは「縦と横」に配置したドットで構成されているため「二次元コード」とも呼ばれます。EAN/JANコード(販売時の商品スキャンを目的として使用されるバーコード)が13桁程度の情報量しか扱うことができなかったのに対し、QRコードは、その数十倍から数百倍の情報量を扱えます。

特長② QRコードは、専用の読み取り機器が不要

レジなどで専用のバーコードリーダーを使って読み取っている様子を見たことがあると思います。バーコードの読み取りには専用の機器やそれと連動したシステムが必要です。
一方、QRコードは、タブレットおよびスマートフォンなどで手軽に利用できます。専用のバーコードリーダーが不要のため、スマートフォンの普及とともに、利用者が増加しました。

QRコードの活用事例

QRコードは、さまざまなシーンに活用されており、世界的な普及が急激に進んでいます。
今回は、QRコードの活用事例を紹介します。

所在管理や物流管理

屋内倉庫の棚や地面にQRコードを貼り付け、所在管理に使用したり、工程が完了するごとにスマートフォンでQRコードを読み取り製品情報や工程、進捗状況をリアルタイムで可視化したりする際に使われています。

チラシやポスター

URL情報などが記録できるため、スマートフォンで詳細情報が確認できます。スマートフォンから、ウェブサイトやLINEの友達登録ページ、インスタグラムのページなどにお客様を誘導することが目的です。

スーパーの商品コーナー

食品成分表示や生産者などの情報をQRコード化し商品に貼ることで、購入者へ効率的に商品の付加情報を提供できます。

コンサートやイベントなどの電子チケット

入退場管理、飛行機・電車のチケットに利用されています。
ただし、QRコードは複製が可能なため管理には注意が必要です。

レジでの電子決済

スマートフォンを活用したキャッシュレス決済手段です。自分のアプリに表示されているQRコードを店舗側のバーコードリーダーで読み取ってもらう、もしくは店舗の端末画面や紙に表示されているQRコードを自分のアプリで読み取ることで決済が完了します。

ホームドア開閉位置の検知用

電車の車両ドアに、列車のドア数や編成車両数などの情報が格納されたQRコードを貼りつけています。貼られたQRコードは、駅ホーム頭上に設置したカメラからQRコードの位置や動きを読み取り、電車全てのドア開閉状態を検知する際に使われています。

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QRコードの読み取りはクルクル – QRコードリーダー!

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クルクル – QRコードリーダー」はQRコード開発元であるデンソーウェーブ社の最新エンジンを搭載した無料のQRコードリーダーアプリです。
QRコードの読み取りだけでなく、JANコード読み取りやQRコード作成など様々な機能を搭載しています。

詳しくは次の記事を参考にしてください。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、QRコードの名前の由来や、仕組みや種類、QRコードの活用事例を紹介しました。QRコードは、決済方法としての利用や、SNSアカウントのログイン、ライブチケットのスキャンなど、いたるところで活用されています。

QRコードを活用する際に、ぜひ参考にしてください。