スーパーなどの小売業で活用されている新聞折込チラシ。しかし近年、新聞の購読者数が減少し、折込チラシを見ない方も増えています。
そこで注目されているのが、電子チラシ(デジタルチラシ)サービスです。チラシをデジタル化することでさまざまなメリットがあります。
本記事では、電子チラシの基本やメリット、作成方法をご紹介します。
目次
電子チラシ(デジタルチラシ)の需要の調査
電子チラシ(デジタルチラシ)の需要を確認するために、折込チラシが入る新聞自体の発行部数と食品を買いに行く際に参考にする媒体を調査しました。
新聞を購読している世帯の推移は?
ニュースなどで若者は新聞を取らなくなったと言われていますが実際はどうなのでしょうか。
新聞の購読数の推移を見てみましょう。
参照:日本新聞協会 新聞の発行部数と世帯数の推移より抜粋
https://www.pressnet.or.jp/data/circulation/circulation01.php
2000年は、約4,742万世帯に対して新聞の発行部数は約5,370万部でした。
2022年は、約5,823万世帯に対して発行部数が3,085万部と、世帯数は増加しているのに発行部数は減っています。
このことから、新聞を購読している人が減っている=折込チラシが届く世帯が減っていると言えます。
チラシを見なくなってしまったのか?
以下のグラフは子育て中の女性に対して「食品の買い物に行く前に、あらかじめ購入するものを決めますか?その場合、何を参考にしますか?」というアンケートを取った際の結果になります。
レタスクラブ「【家族には秘密⁉】プチ贅沢は高級アイス!子育て中の女性252人、食品の買い物事情」より引用
https://www.lettuceclub.net/news/article/1114719/
購入する際、チラシを参考にしている女性が多いことが分かりました。また、折込チラシよりも電子チラシの方がよく見られていることがわかります。
電子チラシにするメリットは?
デジタルチラシのお店側メリットをまとめました。
お客様に場所や時間を選ばず手軽に見てもらえる
電子チラシはスマートフォンからいつでも閲覧できるため、スキマ時間で手軽に見てもらえます。
効果測定できる
チラシへのアクセス数を計測することができます。
取得したデータを元に今後のマーケティングに役立てることが可能です。
費用対効果が高い
電子チラシは印刷する必要がないため、印刷コストを大幅に削減できます。
また、入力ミスが見つかっても、データは後から何度でも差し替えが可能です。
余分な印刷や印刷のし直しが発生しないため、エコにもつながります。
電子チラシの作成方法
電子チラシの作成方法から配信方法までは以下の3ステップです。それぞれの手順を解説します。
STEP1 チラシを電子化する(無料)
まずはチラシのデータを準備しましょう。
【折込チラシを配布している方】
チラシの作成依頼をしている会社から、チラシの画像データをもらいましょう。
おすすめのファイル形式は以下の3つです。
いずれも一般的なパソコンやスマートフォンで閲覧可能です。
【折込チラシを配布していない方】
チラシの画像データを持っていない方は無料でチラシを作成できるサービスを利用してみましょう。
Canvaの使い方を簡単に紹介します。
「スーパーマーケット」と検索するとスーパー向けのチラシのテンプレートが見つかるので、クリックして選びます。
テンプレートの画像や文字を入れ替えてチラシデータを作成しましょう。
チラシの画像データができたらパソコンに保存します。
左上のメニューバーに「ファイル」をクリックし、「ダウンロード」をクリックします。
右上のメニューからファイルの種類を「PDF」に変更します。
「ダウンロード」をクリックし、画像をパソコンに保存します。
おすすめのファイル形式は以下の3つです。
STEP2 ネット上に電子チラシを公開する
ネット上に電子チラシをアップロードします。
STEP1で書き出したチラシデータをGoogleドライブなどのオンラインストレージへアップロードします。
インターネット上にデータを保存しておける場所のことです。無料で利用できるものもあります。
本記事ではGoogleドライブの利用を推奨しています。
Googleにアカウント登録すると無料で15GBまでファイルをアップロード可能です。
STEP1で書き出したチラシデータをドラック&ドロップでGoogleドライブへアップロードします。
右上のメニューバーの中にある「共有」のアイコンをクリックし、 「一般的なアクセス」の設定を「制限付き」から「リンクを知っている全員」に変更します。
「リンクをコピー」をクリックします。
お客様に電子チラシを公開する際に必要になるので、メモ帳ソフトなどにペーストしておいてください。
STEP3 店頭にQRコード付きポスターを掲示する
お客様に電子チラシを見てもらうために、STEP2でアップロードした電子チラシへアクセスできるQRコードを作成し、店頭にQRコード付きポスターを掲示しましょう。
QRコードを掲載することで、簡単にお客さまにアクセスしてもらえます。
無料でQRコードを発行できるサービス「クルクル マネージャー」にアクセスします。
コピーしたURLをペーストし、作成ボタンを押します。
アクセス解析をONにしておくことで、どの場所に掲示したポスターが一番読まれているか、どの時間が一番読取り回数が多いのかなどマーケティングに役立つ情報を取得することが可能です。
また、可変QRコードにすることで、1つのQRコードを使い回すことができるようになり、新しいチラシが出る度にポスターを変えなくてよくなります。
詳しいやり方は「あとからQRコードのリンク先を変更する方法:可変QR」(https://b.qrqrq.com/2019/01/23/qrcode_change_url/)の記事をご覧ください。
発行されたQRコードをダウンロードします。
STEP1で使用したCanvaには、店頭のポスターにも活用できるテンプレートデザインが公開されています。今回もCanvaを使ってポスターを作っておきました。
ダウンロードしたQRコードを配置し、画像を保存します。
ポスターを印刷をして、店内に掲示したら完了です。
掲示場所例
店頭の掲示板に
階段の踊り場に
サッカー台に
【おまけ】店頭ポスター以外の方法
STEP2でコピーしたリンクをSNS(Twitter・Instagram・Facebookなど)やメールマガジンなどに載せて発信する方法もあります。
おすすめ情報配信アプリ&サービス(無料)
無料でお店の情報情報を配信できるサービス「クルクルチャンネル」は、スマートフォンのアプリへメッセージ配信・画像配信・クーポン配信することが可能なサービスです。
事例紹介
【酒類専門店】オトキタ酒販様(セプドールアン様)
青森県八戸市に酒類専門店を3店舗展開するオトキタ酒販株式会社様のインタビュー事例です。
数年前から「当社しか持っていないお得な情報をどう発信していくか」、「新聞の折込チラシを辞めることはできないか」と課題が上がっており、代わりになる施策を検討されていました。
導入後の効果をお聞きしましたが、メッセージのコンバージョン率は約9%、折込チラシと比較すると約17倍もの効果が出ており、「今週のおすすめワイン」という内容のメッセージを配信したところ、ワインの売上は2倍になったと喜びの声をいただきました。
まとめ
これからますますスマートフォンの普及と共に電子チラシ(デジタルチラシ)の需要は高まっていくと予想されます。新聞を購読していない世帯へも見てもらえる以外に、印刷が不要な点は費用・エコの観点からも魅力的です。
ご紹介した無料で始められる方法で、一度電子チラシを試してみてはいかがでしょうか?
おすすめのデザイン作成サービス(無料)
飲食店向けにQRコードからメニュー表を表示させる記事内でも紹介したサービス「Canva」(キャンバ)は、無料で使えるテンプレートが多く準備されており、チラシに使用できるテンプレートも公開されています。